海岸線

海岸線に雨がつもる
蒸気となって立ちのぼる
皆で参じて雲と成り
もたれた尻尾をふりおとす

見つめ合ったのはひと時のことでも
まなざしの強さは月日を乗り越えて
砕けてはがれてボロボロになっても

音も無く浮かんでる
周りのうるささめくり返して
チリの中砂鉄の中
一粒だけ浮かんでる

かしこまった犬の首輪を
自由になれよと外したら
余計なお世話と癪に触れて
かぶりつかれて骨見せた

いつつ数えてうしろ振り向けば
面影はあるけれど前とは違う姿
しかたなくやるせなく戸惑いはてながら
もう2度と戻れない現実をかみしめる

ひからびた湖の
泥の上ピチピチと
跳ね回り足掻いてる
生き残り足掻いてる