ジャズってなんですか?  Miles Davis  / Mademoiselle Mabry

Miles Davis の「Mademoiselle Mabry」という曲がある。
聴いたことない方は再生してみてください。
別にレアなトラックとかではなく、『キリマンジェロの娘』の最後に収録されてる曲です。

ぼくはいわゆるジャズのくくりにされてる音楽の中で、
本当に好きなのは、ヂュークエリントンとセロニアスモンクとローランドカーク...になるのかなあ?
好きともいえない録音も多いけど総じて存在として自分に意味ある音楽家といったらこの三人。
他、思い入れや興味が多少なりあるのはダラーブランド(Aイブラヒム)、ビリーストレイホーン、
ビリーホリデイ、ホレスシルバー、ミンガス...
うーん..そんなもん?あんまり出てこない。
いい曲書ける人が好き。いいサウンドを作る人が好き。

マイルスデイビスは??
あの自伝は面白すぎて何度読んだかわからない。
聴いてないアルバムはない。確か。
好きなアルバムは?と言われればいくつかあげることは出来る。
でも聴き込んでないアルバムも多いから偏ってしまう。
いや、言ってしまえば、僕はいわゆるジャズの「ソロイストのソロリレー」という形式が好きじゃない。
最後まで聴くのが馬鹿馬鹿しく感じる。実際、面白いブロウするプレイヤーって....誰?
センスを感じる人はそりゃいるけど、そんな長々聴いてられません。
ほんとはそんな似たり寄ったりな即興フレーズなんかより練り上げられた黄金の旋律やアレンジ、
なにより面白いハーモニーこそが僕は聴きたい。
だから好きな曲、といってもイントロのキメキメな部分だけで判断する場合がほとんど。
ジャズ愛好家の方からすればお話にならないことでしょう。
そんなぼくでもマイルスのこの「ミス・メイブリー」はなぜか聴けば長々17分弱、
ほわ〜〜んと聴き入ってしまう。
いつか細かく分析もしてみたいが、それはこの曲に飽きてからだな。
はっきり言えるのは、これは構造の妙とその不思議な出来映えの素晴らしさが故にこんなに飽きずに
楽しく聴いてられるってこと。
この聴いてる時間が無駄に感じられなさっぷり。
キリっと冷たいおいしい空気のようで、邪魔なものがなにもない。
清々しいったらありゃしない。
まあ、異論はおおいにあるかもですが、
僕にはマイルスの録音で格別気に入っている特別な1曲なのであります。