小山田圭吾とデザイン

サウンドをデザインするのは楽しい。
CORNELIUS 小山田圭吾氏の
ファンタズマが出た時もポイントが出た時も、どっちの時も不満だった。
うたといえるほどのうた、メロディといえるほどのメロディ がなかったから。
ちびまる子ちゃんの主題歌とかフリッパーズギターの時のメロディメーカーぶりからして、
もっと凄いめくるめくポップメロディがかけるでしょうに という点からがっかりした。
とはいえ、その前の2作にはそれ以上にがっかりしていて
ファンタズマからはソロ作としてそれ以前より飛躍的に耳に楽しい音楽になった。
サウンドは当時私が作っていたようなサンプリングやうちこみのエリアに接近してより身近な感触もあった。
音楽を作る知人らの絶賛の声も多かった ような気がする。
知人がコーネリアスのアルバムの話題を出してくると、
私は斜に構えた風に「あれは作曲がじゃなくてデザインがすごい音楽」みたいなことを言ってた気がする。
今にしてみれば、
音の建築も立派な音楽だってことは私であればこそよく理解できるはずのことで、
あえてそんなことを区別しなくてもいいじゃないかという話だが、
目立ってワンノートなメロディの乏しさがものすごく寂しく感じられ、それが残念だったのだ。
一方の小沢健二がメロディック街道を爆走してただけに。
フリッパーズギターの二人は自分と同世代だし、無闇にライバル視して
辛口モードで接していたい年頃でもあったし。
にしても、
サウンドの配置の妙は、クリアな録音芸術にとって
将棋の駒をどこに動かすか という選択に近く、
快感度の勝敗はそこにかかってくるからデザインセンスは重要だ。
CORNELIUSがユニークなのは、それがファンクに特化されていったことで
その路線が意外すぎて、当初そのデザインファンクの価値にあんまり注目できなかったなー。
今は素直にすごいかっこいいぞ!と思っている。
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suppa micro mix シリーズの第二弾ができた。
今回も試聴用に最初の15分分をサウンドクラウドにアップしてます。
        ↓
https://soundcloud.com/suppasuppa/lost
本編は55分ちょっと。通販も対応できます。
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私のこのmixシリーズは、ちょっと普通のDJもの、ミックステープものとは趣がちがいます。
サウンドデザインもの って言った方がフィットするかんじ
なのです。
小山田圭吾的な。
自分のオリジナル曲を作れ、といってくれるクライアントが今いないので(切望してはいる)
人の曲をこうして自発的にコラージュしてるのが楽しい。
今までおざなりにしていた他人の曲のどうでもよくない部分をより楽しみやすくするため といってもいいような、
もっと個々の素材曲に自分にとっての意味を強めるために というか。
前回のmix 1の肝は自分の考えるところのマイルスデイビスの音楽的エッセンスの最良の部分をひきたてられるように
耳をチューニングする...という構成にしたつもりだった。
今回のmix 2のカナメは、終盤にはさんだメシアンの音楽かもしれない。
今までメシアンメシアンの音楽を好きと思ったり関心持ったことがなかったのに、
ちょっと不穏な美しさのあるそのメシアン曲を入れたことで、全体がひきしまり、
mix全体の中の一部として早くそこにたどり着きたい聴きどころになった。
関係ない曲を合体させて、よりその音楽が好きになれるって 面白いことです。
きいてほしいですよー
ききたいかたはコンタクテしてきてください。