ビートルズの話

ミュージシャンのプロフィールとして”ビートルズを子守唄代わりに育つ”というのはありがちだけど、実際そうならしかたない。私の場合の子守唄は、母の生歌もあっただろうし、時計に内蔵されたオルゴールのようなメロディを聴かされてた覚えがある。ビートルズというわけじゃあなかった。
しかし、6歳年上の兄がビートルズ好きでレコードを結構持っていて、中学位に意識的に聴こうとしたら半分くらいの曲は耳馴染みだった。12歳の耳で改めて聴くビートルズの曲にはまだ”ロック幻想”とか”ジョンレノン至上”とか不純なものを持ち込んでない分、初期のシングル曲のキャッチーさが、60年代にリアルタイムでラジオから聴いた人達とたぶんそう大差ない感覚で(そんなわけはない?)ショックを受けた。ビビーンと伝わるものがあった。中一の時になんとなく仲良くなったアラオ君の家に遊びに行った時にビートルズのレコードが全部ありこれもあれもと聴かされていったのがきっかけだった。アルバムをひととうり借りて聴いてみるとさえない曲や気持ち悪い曲も結構あった。特に「ヘルタースケルター」と「ストロベリーフィールズフォーエバー」の最後のオマケ部のおどろおどろしさには恐怖を感じ、どうしても好きになれなかった。
ホワイトアルバムにある不気味なムードや閉塞感は中学生の時は苦手だった。ポール作の穏やかな曲だけを繰り返しきいてた。高校生くらいになるとポールの書く歌詞の意味のどうでもよさに幻滅し、ジョンの曲しか聴く気がしなくなっていく。ジョンの歌声の中にあるヒリヒリした成分に癒されるようになる。「バックインザUSSR」はダサいと思った。なんでこんな捨て曲みたいな曲がオリジナル2枚組アルバムの頭にきてるのかわからなかった。同じ意味で「サージェントペパー」の冒頭もそう感じていた。(12歳の時の印象ですよ?)「ザ・コンティニューイング・ストーリー・オブ・バンガロー・ビル」の寒気がするような気持ち悪いムードは本当に嫌だった。今は変なジョンの曲として興味深く聴けるけど。アビーロードのB面(B面・・・)のメドレーもかなりありがたみなかった。現代にミックステープを作る自分としては繋ぎ方は共感するし、勉強になってるかもしれなくて手法は素晴らしいけど、音楽としての野暮ったい印象は今もあんまり変わらない。最後のギターソロ回しのジョンの部分だけ繰り返し針を落とした。「I Want You (She's So Heavy) 」は最初好きじゃなかったけど、だんだんあのヘヴィーさがたまらなくなった。あわせて高校時代熱中したエルビスコステロのブラック&チョコレートの「I Want You 」ととっかえひっかえ聴く妙な時期もあった。「ゲットバック」が大好きなアラオ君に「ゲットバック」はあんま好きじゃないといったらムッとされたような記憶もある。中一の自分にはあの土っぽい良さはわからなかった。問題曲「レヴォリューション9」の印象が12歳の時どうだったのかあんまり思い出せない。ホワイトアルバムでの他のどんよりしたトラックに比べれば違和感なく聴いてたような気がしなくもない。ロックの超名盤とされる「リボルバー」や「ラバーソウル」や「サージェントペパーズロンリーハーツクラブバンド」も幻想のない耳で聴く分にはイマイチな曲も結構入ってて暗いアルバム、というのが正直な印象だったことは忘れちゃいけないような気がする。やっぱり初心者にはベスト盤がベストだった。
ジョンとジョージとリンゴとポールの顔の区別をつけられるようになるには4分割された写真を凝視する勉強時間が必要だった^^ 
ジョンとポールは作曲の才も突出してるけど、あんな若くして最初から凄まじいど迫力な歌声が二人甲乙つけがたくあることがスゴイ。歌でなぐられるかんじ。なぐられるのが気持ちイイ^^ それがロックンロールの醍醐味か。ビートルズの飴と鞭。
16歳の頃から数年間文通していた隣町の女のコはビートルズでは「anna」が好きと言っていて、地味な曲が好きだなーと当時はかんじていたけど、今ではかなり上位にくいこむビートルズの中のマイフェイバリットナンバーです。(文通はすごく楽しかった。同い年の男女で数キロ先に住んでるというのに会うこともなくあくまで手紙のやりとりだけの関係。恋してるわけでもないのに相手へのいい手紙をかくことに全精力をかたむけてた)
6歳くらいのころ兄弟3人で「ヘイジュード」でヘイジューって何回繰り返すかをみんなでカウントする遊びをした記憶もある。毎回合唱してしまって見失ってそのことに笑えた。。
ビートルズの思い出をなぜ今語っているのか?
それは、明日水曜日にビートルズ音源のみでDJする予定があるからなのである。

6/25(Wed.)“SHIBUYA MACHINTOSH CAVERN”vol.1@渋谷WOMB LIVE(VIP FLOOR)¥0(+2drink)op19:15/st19:30-ed22:30 Guest Live:スッパマイクロパンチョップ(DJ set)
“Please Please Me”から“Beatles For Sale”までの4作品のじっくり丸々リスニングタイム、スッパマイクロパンチョップBeatlesネタオンリーでのDJ LIVE、64年の映画”A Hard Day´s Night“の大スクリーン上映、というメ二ュー。