足踏みオルガンと官能

足踏みオルガンを弾くことは、シンセサイザーをいじること以上に官能的だ。
シンセサイザーは一瞬でえげつない音に変化したりする。(そこがいい)
足踏みオルガンができることの領域は狭い。
狭いが、豊かさはこれ以上必要ありゃせんがな という具合。
他への欲望が見えなくなり、大きな これでいいのだ感 の中、空気を、自分を、木の物体全体を、減衰の果てまでの世界を、震わせる喜びの中 指と足と趣を動かすことには、静かな興奮が伴う。
シンセサイザーだって足踏みオルガンの遠い親戚。
足踏みオルガンのようなものはなんでも好きだ。
わたしはオルガンのようでありたい。
わたしはオルガンだ。