メトロノームの外の世界では

DJ行為。その内容によっては、知らず知らずの内に音を浴びてる人の体調を壊してしまってるようなことって案外多いのではないかと思う。大音量で流される音楽の時間の流れは、長ければ長い程、続きすぎてはいけない危険な閉塞感を作りがちだったりするんじゃないか?あれほど空気を派手に振動させてるのでプロDJならば特にリスナーの健康への影響を考えることは必要だろう、と、DJ係をすることもちょいちょいある私は思う。
私はテクノが好きだ。しかし、単純で重いヨツウチのキック音が延々と続く曲やDJは苦手だ。アレは本来は奥の手である。そんなにしょっちゅう表に出すべきものではない。ここぞという時に見せる水戸黄門様の印籠のような切り札である。相手を支配するパワーが強力なので、ほんのひと時使うだけで充分なのである。
ディスコやハウスやEDMのとりこになってしまっている人は何時間でも途切れないで欲しいと思えるのも、好きパワーが体を防御してくれてるのかもしれないが、思いこみのない普通の人がヨツウチ音楽を続けて大音量で浴びて疲れたり気持ち悪くならないでいられるのは1時間くらいが限度なんじゃないだろうか。
奇数の拍子や変拍子以外の休符の少ない偶数拍子のビートミュージックのバックに4つうちのメトロノームを鳴らしてみると、それがヒップホップでも、複雑なテクノでも、歌謡曲でも、まあ当然ながらハマる。拍の頭にただキックの音をのせればヨツウチのできあがりである。簡単に言えば四つ打ちは超ドスを効かせたメトロノーム。幼い人へのガイド。

さて、かくいう私におんがくのじかんの名物マスター菊池さんが、四つ打ちのみでディスクをジョッキーさせようとしている。私一人で4時間セットでだ。どうなることでしょう?
私が考えるヨツウチDJは、ヨツウチばかりかけなくてもヨツウチなDJはできるし、リスナーを(踊り手を)疲れさせないやり方があるのだ! というみこみの元、それを証明してみせようと思う。投げ銭だし、ぜひ仕事帰りに三鷹までかけつけてほしい。